2021年から4年間資産運用を行ってきました。
資産運用開始前から自分なりに色々調べて、オルカン・S&P500のインデックス投資が自分には合っていると考えて証券口座を開設しました。
それなのに、この4年間ブレにぶれてしまい やりたかった資産増加に及ばず後悔しております。
その経験を活かして今後はぶれない様に資産運用をしていきたいと思っています。
当記事では、4年の資産運用を経て、毎年どのように感じてどのような失敗をしたかをまとめたいと思います。
同じような失敗をしそうな方を減らし、自身の戒め(同じ過ちを繰り返さない様)にしたいです。
インデックス一括投資で放置している人に完敗
私が資産運用を開始したのと同時期に、父親が他界しました。
母親が相続したのですが、お金のことに疎い母親に「どうすればいいかわからない」と相談を受けました。
というのも、母親は証券口座を持っていたのですが 父親に言われるがままに口座開設をしていただけで放置していました。
そこに父親の所持していた株が相続されたので、そのまま放置していいのかの判断も付かず、売却の仕方も現金化の仕方もわからないといった状態でした。
父親から相続された株の中身を確認すると『高配当株』『優待株』『新興国株』で構成されておりました。
母親は現役で仕事をしていたので今すぐ現金化する必要はないという結論に至り、ほぼほぼ私の判断で父親が購入していた株をすべて売却し、一括でオルカンとS&P500を購入しました。
「何かあったときのために、現金が残しておきたい。」という母親の意見を尊重し1割ほど現金で残しました。(今となれば、この1割もインデックス投資に回しておくべきでした。)
その運用成績が以下のグラフになります。(金額は伏せました)

水色の範囲が取得額、青い折れ線グラフが評価額になります。
多少の上下を繰り返しながら上昇し、2025年末現在 投下した金額の倍の評価額(運用成績50%超え)になっています。
これに対し、私個人の証券口座の運用成績グラフが以下になります。

運用成績は19%と悪くない数字になっていますが、淡々とインデックス投資だけを続けていればもっと評価額が上がっていたのは明らかです。
後半(24年7月以降)は、決意を新たにインデックス投資を主流にしていますが、浮気した個別株を大量保有しています。
グラフの最後にあるV字のところで個別株を大分整理しました。(まだ残っていますが)
母親の口座は追加投資なしの放置 私の口座は収入を追加投資している運用なので、単純に比較することはできませんが
私の受けたショックはとても大きかったです。
23年8月ごろ、追加投資をしてるのに評価額は上がらず
24年2月ごろ、追加投資をしたのに評価額がガクッと下がっています。
この時期は、某100億投資家の情報に目を輝かせて個別株投資やデイトレードに手を出していました。
インデックス投資を長期間続けるのが難しい理由
私がインデックス投資を長期間が続けるのが難しいと感じた理由は以下の2つでした。
- 誘惑が多い
- 不安が多い
たくさん勉強して知識武装していても、どんどん新しい情報が出てきて誘惑されたり・不安に駆られたりします。
しかし、それらに振り回されることで収益が増えないだけでなく、収益を減らすことになります。
資産運用開始直後(1年目)
この時期は資産運用をやっている意味をなかなか感じられません。
お金が劇的に増えるわけでもなく(なんなら減るタイミングも大いにある)、投資にお金を回す分だけ自由に使えるお金が減るのでモチベーションが全然上がりません。
私は、1000万円の資産は貯金だけで貯めました。最初のインデックス投資は500万円の一括投資を行いました。
『お金が減るかもしれない』という恐怖はありましたが、生活に困っていたわけではないので『減ったとしても勉強代』と考えて一括投資に踏み切りました。
この時期に仕事で昇給することができたのもあり、資産運用の意義をあまり感じられていなかったです。
生活防衛資金はしっかり確保していたし、1000万円貯蓄できる生活力があったので資産運用については定期預金くらいの感覚で放置していました。
資産運用2年目
1年以上経過すると、ある程度まとまった収益が目に見えて出るので 資産運用が少し楽しくなります。
楽しくなってくると『もっと増やすにはどうしたらいいか』などと考えて、あれこれいじりたくなります。
この時期に私が行った暴走は以下です。
- インデックス投資信託の中で手数料や信託報酬が低いものを探す
- インデックス投資信託の中で最高益の物を探す
- インデックス投資信託を超える個別株を探す
手数料や信託報酬が低いものを探す&最高益の物を探す
例えば、SBI証券でオルカンを探すと
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)
など色々な投資信託があります。
この中で、どの投資信託が一番利益が出るかを調べまわっていました。
どれにしたところでそこまで大きな違いは出ないのですが、運用期間が長いものが安心なのか・直近の利益が少しでも高いものが良いのかなどを見比べていました。
一時期すべて購入して成績を比較したりもしました。(ちなみに現在は『eMAXIS Slim 全世界株式』一択で運用しています)
この時に一番もったいなかったのは、持っていた投資信託を売却してまでポートフォリオをいじったことです。
インデックス投資信託の長期保有のメリットである複利の効果を自ら潰していました。
インデックス投資信託を超える個別株を探す
ギャンブルはしたくないのでインデックス投資を始めたはずなのに、少しだけ資産が増えたあたりでギャンブル的投資に目移りします。
数十万の運用益が出たことで、『その一部をギャンブル投資しても損はしない』という邪な気持ちが芽生えました。
30万円を1億円にした話や、『短期間で株価が倍になる』みたいな話を聞いてもしかしたら自分も爆益を出せるかもと考えてしまうのです。
ちゃんと勉強してきたので、爆益を出しまくって大成功することは無いのはわかっています。
ただ、「10個株を買ったら1つが倍になるかも」という根拠のない妄想をし、「1個目でその倍になる株を買えるかも」という意味の分からない可能性に掛けて見たくなりました。
- 最初は1社100株だけ
- 調べていると「こっちの会社の方がよさそう」というのを見付けて100株だけ
- 株価が下がったので取得単価を下げるために100株追加
- もう100株追加したら株主優待がもらえるので100株追加
というような理由を付けてだんだん個別株への投資額が増えていきました。
間違った方向に行っている自覚がないので、インデックス投資を売却してまで個別株を買っていました。
『100株だけ』といっても、1株500円の株でも50000円します。
購入した個別株には2000~3000円の株もざらにあったので、あっという間にインデックス投資額より個別株投資額の方が大きくなっていました。
そんな中、持っている個別株がストップ高になり 1日で数十万の利益が出ることがありました。
タイミングを計って100万円以上の利益をだすことができたのですが、この経験がさらに私を暴走させました。
「もう一度同じ経験ができるかも」「自分には多少才能が有るのかも」という思考が産まれ、『ギャンブルはしたくないのでインデックス投資を始めた』という初心を忘れてしまっていました。
「これが毎月できれば仕事しなくてもいい」という考えが生まれたのを覚えています。
この時期は50銘柄ほどの個別株の売買を繰り返していました。
資産運用3年目
資産運用期間が2年を超えると、『初心者じゃない』という感覚が芽生えます。
周りの人に資産運用をやってるか聞いてみたくなったり、Youtubeや書籍で情報収集の頻度が増えました。
自分の知っている知識には『ぁーはいはい、それ知ってる。』と心の中でマウントをとり、知らない知識には『もっと利益を増やせる情報かも』と色めき立ちます。
そんなときに、私の運用成績がマイナスになります。
この時の精神的ダメージは本当に大きかったです。
勉強して資産運用に挑み、2年を経て少し自信がついてきたころにマイナス。
「だったら資産運用なんてやらない方が良かった」と本当に思いました。
マイナスになっている個別株を損切りはできずにいましたが、初心を思い出して少しでも傷を癒そうとインデックス投資に追加投資を行いました。
この時期は運がよく、投資信託が上昇し始めた時で すぐに運用成績のマイナスを取り戻すことができました。
まだ個別株の魅力が拭い切れていない私は、2年目にストップ高を付けて100万円以上の利益をだした株を見てショックを受けます。
私が売却したタイミングは全然ベストではなく、(一度下がってはいたが)株価はさらに上昇していて そのまま所持していたら300万円近い利益が出ていた評価額になっていました。
まさにタラれば。この経験は私が株トレーダーにはなれないという自覚を持たせてくれました。
株の選定や取引タイミングが下手だったという悔しさはもちろんあるのですが、費やした時間と株価変動に揺さぶられる精神・心労が私には合わなかったです。
そして、24年8月ごろ株価暴落が来ます。
この時、インデックス投資の利益が溜まっていたおかげで 運用益はプラスのまま耐えることができました。
たまたま個別株に投資してた資産をインデックス投資に移行してたタイミングだったので 安く仕込むこともできました。
資産運用4年目
現在4年目の後半です。
3年目までの経験を踏まえて、少しづつ個別株の損切りを進めながらインデックス投資の比重を上げています。
この時期は、魅力的な情報や不安を煽る情報に「そうなんだー」と一歩引いて向き合うことができるようになります。
巷では
- 今後インド株が来る
- 株より金を持つべき
- アメリカ株はオワコン
- 日本株が10年以内に急上昇する
- 資産運用より事業を始めるべき
などなど、昔から言われているものから新しいものまで色々な情報が飛び交っています。
直近のニュースでは、ゴールドマン・サックス(アメリカの大手金融機関)がアメリカ株が向こう10年で成績最下位になるというものがありました。(中身を見ると『アメリカの成績が悪いんじゃなくて、他の成績を高く見積もり過ぎでは?』と感じた)
どの情報が当たるにせよ外れるにせよ、私が個別株と向き合ってるより高い成績になると確信していますし
アメリカ株が10年間低迷するならその間安く仕込ませていただいて、私が仕事を引退するころにまた頑張って上がってくれることを期待します。
終わりに
だらだらと拙い文章になってしまいましたが、冒頭に書いた通り自戒の意味と同じような失敗をしそうな方を少しでも減らせたら幸いです。
何年か後に、この記事を書いている時点の私を後悔している私が居るのかもしれませんが それはその時にまた悔い改めます。
結論としては、『インデックス投資を初めて数年は耐えて淡々と頑張りましょう』というつまらないものですが
その時にぶち当たる現実は、誘惑や不安があり思っていた通りに行動できないこともある(私はありました)ので、どこかの誰かのためになれば幸いです。

コメント